”私はなぜ子ども達に書道を教えたいのだろう”
この問いをずっとずっと自分に投げかけてきました。
「字を美しく書いてほしいから?」
「大人になって困らないため?」
「伝統を継承したいから?」
どれも正解なんです。どれも大切にしたい理由。
でも、もう一つあるような気がしてならず、ずっと問いかけてきました。
ある日、ふと思い出したことがあり、その答えがようやく見つかりました。
数年前のお話。
ある小学生の男の子ママが相談に来てくれました。
「書くことは嫌いでく一生懸命宿題をしていたのですが、学校の先生が赤字で直すばかりでノートが真っ赤になって返ってきます。それで息子は字を書くのが嫌になってしまいました」
実際ノートを見せて頂きましたが、めちゃくちゃな字は書いていない!
むしろ丁寧に頑張って書いている一生懸命さが伝わってくるほど。
しかし・・・丸はほとんどついておらず真っ赤に直されていたのです。
どれだけ頑張って書いても、こんなに直されたら大人でも嫌になるな・・・
その男の子は字を書くことが嫌になったのはもちろんですが、それだけ自分を否定されて心が傷ついていたんです。
“この子の心を救ってあげたい!”
そう思った瞬間でした。
結果、相談後まもなくして引越しもあり、その男の子には教えることができませんでしたが、
この男の子に寄り添って、たくさん認めてあげたかった。心を救ってあげたかった。
この後悔が心の奥に残っていて、子ども達に教えたいと思っています。
書道を通じて子ども達の心に寄り添える存在でありたい。
子ども達をたくさん認めてあげて、応援できる存在でありたい。
書道を通じて、心を守りたい。
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